受賞作品の発表

2015年7月8日(水)より9月7日(月)までの約2ヶ月募集しましたLOFT & Fab Award 2015は171点ものご応募をいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。「暮らしに役立つ生活雑貨」というテーマのもと、改めて気づかされる視点や新たな切り口など、さまざまなご提案をいただきました。厳正なる審査、また一般投票にて以下のように受賞作品が決定しましたのでご紹介いたします。


授賞式のイベント風景


審査風景


総評

廣村正彰

Hiromura Masaaki

アートディレクター

LOFT & Fab Award も2回目になった。1年間でテクノロジーも進化し、さまざまな加工で楽しむ人が増えてきた。その点では時代の流れに沿った意義のある賞として捉えられているのだといえる。出品された作品の多くは、既存の製品をカスタマイズして自分オリジナルに作られたもので、楽しんで作っている様子がうかがえる。何歳になっても手を使って工作するのはワクワクする。それをサポートするテクノロジーも想像力を増幅させるようだ。またそれとは別に新しい商品開発も提案されている。アイディアにより生活を豊かにし、不自由さを快適に変えるような新しい提案は嬉しい。大量生産、大量消費が終わり、その人らしいモノのあり方に魅力を感じているのだと思う。

最優秀賞

作家名:UTB

作品タイトル:Lampshade Zipper

電球に服を着せるようにかぶせるランプシェード。
柔軟な構造体で構成されたサーフェイスと、ジップ機能をもつランプシェードです。
全て3Dプリントで一体成型されたまま、一度に出力されます。

  • ジップ構造のために手で開くことができ、電球にかぶせるとそのままランプシェードとして機能します。
  • サーフェイスの構造はジップを開くとやわらかく変形し、まるで服を着せるようにランプシェード裸電球に被せることができます。(ジップはまた手で閉じることができます)
  • サーフェイスの構造はそのままシェードから光が漏れるパターンとして機能します。

廣村正彰

Hiromura Masaaki

アートディレクター

「電球に服を着せるようなランプシェード」、というタイトルが目を引いた。樹脂を3Dプリンターで一体成型されて出来上がっている。ほどよく硬くて柔らかいポリアミドに、抜かれたパターンにジッパーが付いているのが特徴で面白い。光から生まれる影を想像するとジッパーは不要な感じもするが、モノとしての存在感がある。機能性というよりは豊かな発想とチャレンジ精神が評価され最優秀賞に決まった。

UVプリンター部門賞

作家名:Plism

作品タイトル:Origasa

この傘はプリントされた折り目とマークによって、まるで折り紙を折るかのように折り畳むことができます。憂鬱な雨の日に傘を折り畳む煩わしさを楽しく晴れやかな気分に変えてくれる傘です。

久保田晃弘

Kubota Akihiro

多摩美術大学
メディア芸術コース教授

応募者が少なく、予想外の穴場となったUVプリンタ部門だが、部門賞は折りたたみ傘に折り目をプリントした「Origasa」が獲得した。折りたたみ傘はコンパクトに畳もうとすればするほど、畳み方が複雑になるが、折り目をプリントすることで、逆に複雑な畳み方のものの方が楽しくなる(かもしれない)逆転の発想。

レーザーカッター部門賞

作家名:勝村 勇樹

作品タイトル:紙筆(しひつ)

「紙筆」は段ボールでできた絵の具筆です。そのまま使えば広い面を塗ることができ、切り離すことで細かく塗ることもできます。使い捨てなので、洗う必要もありません。段ボールの柔軟性を活用した新しい筆です。

禿真哉

Kamuro Shinya

トラフ建築設計事務所・建築家

段ボールという身近な材料を用い、シンプルなアイデアでクリエイションのためのツールを開発したことを評価しました。立体構造の段ボールへの繊細な加工の難しさから、レーザーカットを採用した必然性は元より、使い捨てのため気軽に手に取れること、このツールで描かれた絵への期待感も、本作を後押しする要因になりました。

3Dプリンター部門賞 - Powered by logo_rinkak -

作家名:石橋 達男

作品タイトル:タップ・アシスト

指の麻痺等の機能障害でパソコン等のキータッピングが難しい場合の補助具です。装着時の違和感が少なく、かつ指への脱着が容易なようにデザインしました。リング模様はフィボナッチ数からヒントを得たものです。

稲田雅彦

Inada Masahiko

株式会社カブク 代表取締役

今までのものづくりは大量生産が前提であり、金型リスクや在庫リスクから、こうした機能の障害のある方向けの商品といったニッチな商品はそもそも商品化がされにくい。それに対して、3Dプリンターを活用することで、こうしたニッチでかつ、人それぞれに合わせてカスタマイズできる商品が開発できることにも、非常に意義のある商品であると感じた。

オーディエンス賞

作家名:東京電機大学建築学科

作品タイトル:WooBer

1枚の木の板から製作した温かみのあるブックカバー。文庫本にぴたりと沿い、木材の持つ適度な硬さとしなやかさがある。3種類のスリットパターンから、その日の気分、本のイメージに合わせて着せ替える。

掛井賢治

Kakei Kenji

株式会社ロフト 執行役員
商品開発部部長

手にとった瞬間にしっくりと手に馴染む感覚は、木の素材感と加工技術の高さによるものなのだと感じます。実際の商品化にはやや強度等を再検証する必要があるものの、レーザーカッター技術を効果的に活用した世界でたったひとつのデザインは魅力的で、経年変化も楽しめそうなブックカバーになっている。

入選作品展示会

LOFT & Fab Award 2015 は株式会社ロフトが主催のもと「暮らしに役立つ生活雑貨」をテーマに3種類のデジタル加工機によってつくり出される「雑貨」のデザインとアイデアと技術を競うアワードです。会期中は入選作品を展示しておりますので、ぜひともご覧ください。


展示会基本情報

展示期間

2015年10月23日(金)〜 11月3日(火・祝)
終了しました。ご来場ありがとうございました。

会場

渋谷ロフト 6F LOFT & Creation

時間

10:00 〜 21:00

アクセス

〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町21-1
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授賞式について

展示最終日の11月3日(火・祝)13:00〜、渋谷ロフト 6F LOFT & Creation にて、授賞式イベントを開催します。
授賞式後には参加無料の限定ワークショップも開催しますので、ぜひともお立ち寄りください。


ワークショップイベント

  • 3D フィギュアスタジオ 撮影体験!

    渋谷ロフトでオープンしたばかりの「3D フィギュアスタジオ」。今回は特別に、普段入れ ない内部を見学し、撮影を体感できます。ぜひともご参加ください。

    • 時間:13:30〜(所要時間 約30分)
    • 場所:渋谷ロフト 6F 3Dフィギュアスタジオ受付
    • 参加人数:先着 5名さま
    • 参加費:無料
  • PrintShop で3D プリントを体験しよう!

    家庭用3Dプリンターを販売しているメイカーボットがリリースした、直感的に3Dデータが作れるアプリ「PrintShop」をつかって、3Dプリンターを使ったオリジナルのメダルがつくれるワークショップです。

    • 時間:13:30〜(所要時間 約1時間)
    • 場所:渋谷ロフト 6F 3Dフィギュアスタジオ受付
    • 参加人数:先着5組さま(1組 2名さままで)
    • 参加費:無料
  • ラッピングも自分でつくる!?
    テープクリエーターでリボンづくり体験!

    LOFT & Fabで人気の「テープクリエーター」をつかって、幅15mmのリボンテープづくりが体験できます。今回のオリジナルテンプレートにすきなメッセージやイラストをのせて、オリジナルのラッピングリボンをつくってみませんか?

    • 時間:13:30〜(所要時間 約30分)
    • 場所:渋谷ロフト 6F LOFT LAB
    • 参加人数:先着5組さま(1組 2名さままで)
    • 参加費:無料
  • 主催:
    株式会社ロフト
  • 共催:
    FabLab Shibuya(デジタルファブリケーション協会)

  • ものづくりマーケットプレイスRinkak
  • 運営:
    株式会社モーフィング